
2025年8月、阪神甲子園球場で第107回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)が行われ、全国49代表が深紅の大優勝旗を懸けて熱戦を繰り広げました。
本記事では最終結果・名勝負ハイライトを、確定情報で振り返ります。
2025年夏の甲子園大会結果を総まとめ

2025年8月、阪神甲子園球場を舞台に「第107回全国高等学校野球選手権大会」が開催されました。全国49の代表校が深紅の大優勝旗を目指し、連日熱戦を繰り広げました。酷暑の中、高校球児たちが流した汗と涙、そして数々のドラマは、多くの野球ファンに感動を与えました。この章では、今大会の頂点に立った学校から、全試合の結果までを詳しくまとめてご紹介します。
優勝校 準優勝校 ベスト4一覧
今年の夏の甲子園大会の上位4校は以下となります
結果 | 学校名 | 地方 | 備考 |
---|---|---|---|
優勝 | 沖縄尚学 | 沖縄 | 同校は夏は初優勝 |
準優勝 | 日大三 | 西東京 | 9年ぶり4回目の決勝進出 |
ベスト4 | 山梨学院 | 山梨 | 3年ぶりのベスト4進出 |
ベスト4 | 県岐阜商 | 岐阜 | 2年連続のベスト4進出 |
【ハイライト】記憶に残る2025年夏の甲子園の名勝負

第107回全国高等学校野球選手権大会も、数多くのドラマが生まれました。アルプススタンドを揺るがす応援、選手たちの汗と涙、そして球史に刻まれる数々の熱戦。ここでは、特に人々の記憶に残った名勝負を厳選して振り返ります。
劇的なサヨナラゲーム特集
高校野球の醍醐味といえば、試合終了まで何が起こるかわからないスリリングな展開です。今大会も、9回の土壇場から試合をひっくり返した劇的なサヨナラゲームが複数生まれ、甲子園を熱狂の渦に巻き込みました。
【準々決勝】横浜(神奈川) 7-8x 県岐阜商(岐阜)
準々決勝第3試合では春夏の連覇を期待されている神奈川の横浜高校を県立岐阜商業が延長11回のタイブレークの激戦の末、8対7でサヨナラ勝ちしました。
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
横浜 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 7 |
県岐阜商 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 3 | 1X | 8 |
【3回戦】沖縄尚学(沖縄) 5-3仙台育英(宮城) 延長11回
3回戦屈指の好カードとなったこの試合は、序盤から点の取り合いとなりました。沖縄尚学がリードすれば仙台育英がリードし、さらに沖縄尚学が追いつくという展開で試合は延長戦へ。迎えた11回、沖縄尚学が2点を奪い、沖縄尚学が激闘の末勝利。
歴史的記録が生まれた試合
偉大な記録の誕生もまた、夏の甲子園を彩る大きな要素です。今大会も、高校野球の歴史にその名を刻む、素晴らしい記録が達成されました。
1回戦:綾羽(滋賀) 6–4 高知中央(高知)〔延長10回TB〕
甲子園“史上最も遅い”試合終了時刻22時46分を更新。開始時刻も19時49分で史上最遅に(記録が残る1953年以降)。第3試合の長時間中断の影響で第4試合の開始が遅れ、9回同点で“継続試合”の可能性もあったがタイブレークで決着。大会本部も「史上最遅」と発表されています
8月19日 準々決勝:県岐阜商(岐阜) 8–7 横浜(神奈川)〔延長11回TB/サヨナラ〕
この試合が今大会7試合目のタイブレークとなり、2018年導入以降の1大会最多を更新(従来は6試合=23年・24年)。公立校の県岐阜商がサヨナラで16年ぶりの4強入り、春の選抜王者・横浜は春夏連覇ならず。大会終盤にはタイブレークは合計8試合に達し、最多記録をさらに伸ばした。
8月23日 決勝:沖縄尚学(沖縄) 3–1 日大三(西東京)
沖縄尚学が夏の甲子園“初優勝を飾った。沖縄県勢としては2010年興南以来15年ぶり2校目の夏制覇という県史的節目。宜野座の勝ち越し打などで主導権を握り、投手陣の継投で1失点に封じた。
【選手特集】2025年夏の甲子園で輝いたスター選手

2025年の夏、甲子園球場を熱狂の渦に巻き込んだスター選手たち。投打にわたり、高校生とは思えないほどのハイレベルなプレーで観客を魅了しました。プロのスカウトからも熱い視線が注がれた逸材や、その名を高校野球の歴史に刻んだ選手たちを特集します。
ドラフト上位候補の最終評価
今大会は、早くからドラフト上位候補として注目されていた選手たちが、その評価に違わぬ実力を甲子園という大舞台で見せつけました。全国の野球ファン、そしてプロのスカウト陣に強烈なインパクトを残した選手たちの最終評価をまとめます。
氏名 | 高校 | 備考 |
---|---|---|
石垣 元気 | 健大高崎 | 最速150キロ台の直球と安定した制球、多彩な変化球で試合を支配する先発型。大舞台での経験と持久力も評価され、完成度と将来性の両立で1位候補。 |
森 陽樹 | 大阪桐蔭 | 190cmの長身から角度ある速球を投げ込む本格派。スケールと球質の良さ、伸びしろが魅力で、プロの育成下で大化けが見込める素材型の上位候補。 |
末吉 良丞 | 沖縄尚学 | 全国舞台で勝ち切る勝負強さが光る左腕。直球と変化球のメリハリ、度胸ある投球でチームを牽引。将来の先発軸を見据えた指名が有力な注目株。 |
阿部 葉太 | 横浜 | 内野守備の安定感と長打も打てるスイングが魅力。勝負所での対応力に優れ、ミート力とパワーのバランスが良い。将来的な中軸候補として注目。 |
大会記録を作った選手とチーム
2025年の夏は、数々の大会記録が垣間見える大会となりました。
記録 | 選手名 | 所属高校 | 今大会記録 | 旧記録 |
---|---|---|---|---|
チーム別 通算本塁打数 | ー | 県岐阜商業(岐阜) | 8本 | 智弁和歌山―11本(2000年大会) |
チーム別 打率 | ー | 県岐阜商業 & 東洋大姫路― | 396(並列トップ) | 駒大苫小牧―.448(2004年選手権) |
1試合最多奪三振 | 末吉 良丞 | 沖縄尚学 | 12奪三振(完投) | 22奪三振 (松井 裕樹 2012年) |
大会通算奪三振 | 末吉 良丞 | 沖縄尚学 | 39奪三振 | 83奪三振 (板東 英二 1958年) |
2025年夏の甲子園 地方大会からの軌跡

全国の高校球児たちの夢の舞台、夏の甲子園。その出場権を掴むまでの道のりは、決して平坦なものではありません。各都道府県で開催される地方大会は、3000を超える参加校が、たった49枚の甲子園への切符を巡って激しい火花を散らす、まさに聖地へのサバイバルレースです。ここでは、各都道府県の代表校と、特に熾烈を極めた「激戦区」の戦いを振り返ります。
各都道府県の代表校一覧
長く厳しい夏を勝ち抜き、甲子園への出場を決めた全49校の一覧です。初出場のフレッシュな顔ぶれから、伝統のユニフォームを纏う常連校まで、様々な想いを背負った代表校が出揃いました。
地方 | 都道府県 | 代表校 | 出場回数 |
---|---|---|---|
北海道 | 北北海道 | 旭川志峯 | 3年ぶり・11回目 |
南北海道 | 北海 | 2年ぶり・41回目 | |
東北 | 青森 | 弘前学院聖愛 | 4年ぶり・3回目 |
岩手 | 花巻東 | 3年連続・13回目 | |
秋田 | 金足農 | 2年連続・8回目 | |
山形 | 日大山形 | 2年ぶり・20回目 | |
宮城 | 仙台育英 | 2年ぶり・31回目 | |
福島 | 聖光学院 | 4年連続・20回目 | |
関東 | 茨城 | 明秀日立 | 3年ぶり・2回目 |
栃木 | 青藍泰斗 | 35年ぶり・2回目 | |
群馬 | 健大高崎 | 2年連続・5回目 | |
埼玉 | 叡明 | 初出場 | |
千葉 | 市船橋 | 3年ぶり・7回目 | |
山梨 | 山梨学院 | 3年ぶり・11回目 | |
東東京 | 関東第一 | 2年連続・10回目 | |
西東京 | 日大三 | 2年ぶり・20回目 | |
神奈川 | 横浜 | 3年ぶり・21回目 | |
中部 | 新潟 | 中越 | 7年ぶり・12回目 |
長野 | 松商学園 | 4年ぶり・38回目 | |
富山 | 未来富山 | 初出場 | |
石川 | 小松大谷 | 2年連続・4回目 | |
福井 | 敦賀気比 | 3年ぶり・12回目 | |
静岡 | 聖隷クリストファー | 初出場 | |
愛知 | 豊橋中央 | 初出場 | |
岐阜 | 県岐阜商 | 3年ぶり・31回目 | |
三重 | 津田学園 | 6年ぶり・3回目 | |
近畿 | 滋賀 | 綾羽 | 初出場 |
中国 | 京都 | 京都国際 | 2年連続・4回目 |
大阪 | 東大阪大柏原 | 14年ぶり・2回目 | |
兵庫 | 東洋大姫路 | 14年ぶり・13回目 | |
奈良 | 天理 | 3年ぶり・30回目 | |
和歌山 | 智弁和歌山 | 2年・28回目 | |
岡山 | 岡山学芸館 | 2年連続・4回目 | |
鳥取 | 鳥取城北 | 2年連続・7回目 | |
島根 | 開星 | 8年ぶり・11回目 | |
広島 | 広陵 | 3年連続・26回目 | |
山口 | 高川学園 | 4年ぶり・3回目 | |
四国 | 香川 | 尽誠学園 | 9年ぶり・12回目 |
愛媛 | 済美 | 7年ぶり・7回目 | |
徳島 | 鳴門 | 3年ぶり・15回目 | |
高知 | 高知中央 | 2年ぶり・2回目 | |
九州・沖縄 | 福岡 | 西日本短大付 | 2年連続・8回目 |
佐賀 | 佐賀北 | 6年ぶり・6回目 | |
長崎 | 創成館 | 3年連続・5回目 | |
熊本 | 東海大熊本星翔 | 2年ぶり・4回目 | |
大分 | 明豊 | 5年連続・11回目 | |
宮崎 | 宮崎商 | 2年連続・7回目 | |
鹿児島 | 神村学園 | 3年連続・8回目 | |
沖縄 | 沖縄尚学 | 2年ぶり・11回目 |
データで見る夏の甲子園2025

2025年の夏の甲子園も、数々のドラマと共に幕を閉じました。ここでは、大会全体を通して各チームや選手が残した成績を、様々なデータから振り返ります。打撃の「打高投低」だったのか、それとも投手力が光った大会だったのか、ランキング形式で詳しく見ていきましょう。
投手防御率・奪三振ランキング
強力打線が目立った一方で、それを抑え込む投手たちの活躍も見逃せません。ここでは、投手の安定感を示す防御率と、打者を圧倒する力強さを示す奪三振の個人ランキングを見ていきます。
順位 | 選手名 | 学校名 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | 自責点 |
---|---|---|---|---|---|---|
— | 織田 翔希 | 横浜 | 0.66 | 27.1 | 16 | 2 |
— | 新垣 有絃 | 沖縄尚学 | 0.82 | 22 | 24 | 2 |
— | 広瀬 賢汰 | 尽誠学園 | 1.00 | 18 | — | 3 |
— | 吉川 陽大 | 仙台育英 | 1.01 | 26.2 | 31 | 3 |
— | 末吉 良丞 | 沖縄尚学 | 1.06 | 34 | 39 | 4 |
— | 柴田 蒼亮 | 県岐阜商 | 1.98 | 36.1 | 22 | — |
— | 近藤 優樹 | 日大三 | 1.83 | 34.1 | — | — |
— | 木下 鷹大 | 東洋大姫路 | 1.44 | 31.1 | 21 | — |
— | 西村 一毅 | 京都国際 | 3.79 | 19 | 17 | — |
— | 森下 翔太 | 創成館 | 1.77 | ~20 | 16 | — |
— | 新垣 有絃 | 沖縄尚学(再掲) | 0.82 | 22 | 24 | 2 |
— | 稲富 理人 | 佐賀北 | — | ~41 | 15 | — |
— | 桑山 晄太朗 | 津田学園 | — | ~31.2 | 15 | — |
— | 江藤 蓮 | 未来富山 | — | 30 | 37 | — |
まとめ
2025年の高校野球、夏の甲子園が閉幕しました。本記事では、優勝校から全試合のトーナメント結果、記憶に残る名勝負のハイライト、そして大会を沸かせた注目選手まで、今大会の全てを網羅的に解説しました。数々のドラマが生まれ、球児たちのひたむきなプレーが日本中に感動を与えた今大会は、高校野球の歴史にまた新たな1ページを刻んだと言えるでしょう。この記事が、2025年の熱い夏を振り返る一助となれば幸いです。